街道さんぽ旅 中山道編 15日目 木曽福島宿〜野尻宿 29キロ

中山道編

この日は夏の盛り。朝から気温が上昇して暑い日となりそうです。前日松本市内に宿泊し、朝一の普通電車で木曽福島駅に到着、スタートします。駅から左に出て、御嶽神社の前を通り、木曽町役場の脇の細い通路になっている道を進みます。

しばらく進むと「塩渕」という地区に出ます。ここは、中山道を馬の背中に塩を載せて運んでいたところ、その馬が木曽川の渕に転落し、塩を撒いてしまったところから「塩渕」という地名がついたと伝えられている地区です。

木曽の山並みと木曽川を眺めながら旧道を進みます。

集落を抜けて進んで行くと、「御嶽遥拝所」がありました。鳥居が立っていて、寛永9年(1632年)の記録に残っている鳥居です!!遥拝所は御嶽山四方遥拝所の一つで、北は長峰峠、西は三浦山、東は鳥居峠とここの四ヶ所で、中山道にあるのは、ここと鳥居峠の2ヶ所です。残念ながら、現在は木々が生い茂り御嶽山を遥拝っすることはできません。

国道に合流しさらに進むと、美しい木曽川に架かる赤い橋が見えて来ました。

木曽の桟(きそのかけはし)です。

ここは中山道の難所の一つで、「木曽の桟、太田の渡し、碓氷峠がなけりゃよい」と言われ、平安時代の「今昔物語集」にも出てくる有名な場所です。

木曽川の絶壁に数百メートルにわたって架けられた藤づるで編んだ桟橋でした。豊臣秀頼の命で改修され、その後、尾張藩が大規模修復工事を行っています。

今は、当時の石垣が残り、川の対岸から見ることができます。

木曽の桟当時の石垣
木曽の桟付近の中山道(対岸が旧中山道)

山並みをぬって木曽川沿いを進む中山道は、美しい景色を眺めながら進んで行けますが、危険な場所も多かったんでしょうね!!

木曽の桟から木曽川を眺める

木曽の桟から国道沿いを進んで行くと、次の宿場町上松宿に入って行きます。

上松宿入口

十王橋を渡ると上松宿です。上町、本町、仲町、下町がありますが、何度も大火に見舞われ、江戸時代の面影を残すのは上町岳となってしまいました。

江戸時代から桧の集散地として発展してきた町です。

上松の町並み

脇本陣跡、本陣跡を通り、桝形を抜けて進んでいくと、上松材木役所跡がありました。尾張藩直轄で、3500坪という大きな敷地に、周囲を高土手や丸太で囲い、大砲まで備えた堅固な陣屋であったらしく、中には奉行屋敷の他、長屋もあって、役人が常時詰めていました。「木1本、首1つ」と言われるほど厳しい管理であったそうです。

上松材木役所跡の碑

上松宿の出口近くには、現在は旅館を営む「越前屋」があります。創業1624年、元々名物の寿命そば(蕎麦切り)の老舗です。

中山道からは少し離れますが、「寝覚の床」という景勝地もあります。

浦島太郎伝説がある場所で、国名勝史跡記念物にもなっています。

石畳の道を通り、木曽の山並みを眺めながら国道に出ます。

国道を少し進むと、木曽八景のひとつ「小野の滝」があります。木曽川本流から少し離れた支流にある落差15メートルほどの滝です。

現在は、JR線の高架がかかっていて、昔のような風景ではありませんが、広重や、英泉、北斎などが浮世絵で残している美しい滝であります。

葛飾北斎が描いた小野の滝浮世絵

国道は車の交通量は多いですが、歩道があるので、安心して歩けます。但し歩いているのは私だけでしたが…笑笑

国道を逸れた道は草道のところもあり、暑さが和らぎホッとします。くるみ坂を越えて、立町に入ると、木の吊り橋が木曽川に架かっていました。

くるみ坂
木造の吊り橋

上松宿から約3時間半で次の須原宿に到着しました。須原宿の始まりは戦国時代です。洪水の被害もあり、1717年に今の場所に移転したそうです。宿の中央には用水路が流れ、湧水がコンコンと流れています。家の軒先には多くの「水舟」といわれる丸太をくり抜いた大きな桶のようなものが置かれていて、湧水を湛えています。この水がまた美味しかったこと!!暑い中を歩いてきた体が癒されました!!

水舟

本陣、脇本陣跡の前を通り、桝形を右に曲がって須原宿を通過します。須原宿は真っ直ぐなため「鉄砲町」といわれていました。

鉄砲町と呼ばれた須原宿

ここから今日のゴール地点野尻宿までは約7.5キロ。国道から外れて少々山道を通り、また国道に出るというバラエティ豊かな道です。これは江戸初期の中山道が消滅していて、迂回路になっているためです。

国道に戻り、関山関所跡の碑の前を通って進んでいくと、「道の駅大桑」があります。残り少しの行程ですが、気温30℃を越える中、20キロ以上歩いている来たのとで、疲れがピーク💦(-。-;

しばしの休憩と思って道の駅に立ち寄ると、冷房が効いた室内に冷たいソフトクリームと、生き返る心地がして1時間以上滞在していました!!笑笑

英気を養いラストスパート!!野尻宿に向かいます。野尻宿の手前は結構急な登り坂。登り切ると野尻宿の「東のはずれ」に出ます。

野尻宿東のはずれ

野尻宿は、奈良井宿に次ぐ長さを誇る宿場町です。外的を防ぐため曲がりくねった街並みで、「七曲り」と呼ばれていたそうです。

野尻宿

駅前にある旅館庭田屋は、寅さん映画「男はつらいよ」の舞台になった場所でもあります。

映画男はつらいよの舞台になった庭田屋

そして、今日のゴール野尻駅に到着!!

暑い中、約30キロの行程を無事に歩き切ることが出来ました!!なかなか電車が来ませんでしたが、車内は涼しくて快適でした。

美しかった木曽路も次回で通り抜け、信濃国から、美濃路に入りますが、有名な妻籠宿、馬籠宿を通ります。

次回も楽しみな旅になりそうです。

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